
子供も、「これ私が三歳のとき書いたんだね」とか言います。生きてきた「証」として、子供に渡したいと思います。
どんなに辛く、厳しいことでも、親子の気持ちが通じ子供が、「自分のためにしてくれてるんだ」と思ってくれるときは、何もいわずについて来てくれると思います。
無理をさせたと思う気持ちと、それでよかったんだと思う気持ちが、いつも同居します。子供は二人ともに東京へ通いながら、ろう学校の幼稚部に通い、その後、近くの幼稚園に行くという経路をとりました。
地域社会の中で子供は育つと思い、統合教育を願ってきました。地域の小、中学校に入ったことで私たちの直接の関わりは、内容がだいぶ変わってきました。
親子の関係から地域社会の関係に移ったように思います。親子ともに付き合いの輪が広がっていくのがわかりました。自分のこと、他人のこと、いろいろな話の中で、それがどれほど自分のプラスになるかも知りました。お互いに生かされているんだと思います。
障害児を持つ親の会の「ふれあいキャンプ」への参加、シアトルでのホームステイ、広島への一人旅などを経験し、巣立ちも間もなくです。二人の子供はともに、自分の障害を受け入れてくれているので、就職、結婚、出産、その他いろいろなことを乗り越えてくれると思っています。
聞きたくない他人の悪口などを、聞かなくともすむので、「聞こえないことがよいことだってあるんだよ」と娘は言う。親を越えて、もっともっと成長して欲しいと思っています。越さ
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